Buongiorno!
コストコで「パネトーネ」を買ってみました。試食をしたらとっても美味しかったのです♡
試食のおねーさんが教えてくれたことには…
◯クリスマス時期に食べるイタリアのケーキ。
◯「パネトーネ」というイタリア独特の酵母を発酵させて作っていて、なんと発酵時間は
70時間以上!
◯ドライフルーツがふんだんに入ってるのが「パネトーネ」の通常で、
今コストコで販売しているものには、レーズンとオレンジピールが入っていて、
レーズンは癖が強過ぎにならないように漬け込まず干したまま使っている
とかなんとか(w)。
イタリアのクリスマスってどんなだろう?
興味津々にまとめてみました!
まずは「パネトーネ」っていったいなんなの?
「パネトーネ(Panettone)」はクリスマス時期になると食べるイタリア🇮🇹のケーキ。
ここ数年、ヨーロッパのクリスマスのケーキが流行ってきてますが、ドイツ🇩🇪のシュトーレン、オーストリア🇦🇹のクグロフと並ぶ、イタリアの伝統菓子です。
「大きくて食べにくそう」「パンにしてはお値段ちょっと高くてケーキにしてはリッチ感が足らない‥」という声があったりもしました。実際私も、10年以上前のころ‥外国ものが好きな母親から毎年クリスマスになるともらったりしていましたが、その時のパネトーネは、パサパサしていて大味で、とてもじゃないけど自分でお金を出して買って食べたいものではなかった記憶があります。
今回一緒にいた友人も第一声、「これって、あのパサパサしたやつでしょ?」って言っていました。
試食、実食!
しかし!なんとなんと、試食でいただいたパネトーネは
しっとりとしていて濃厚な甘さ、オレンジピールの甘苦(あまにが)風味が心地よくレーズンはクセがなくて、とっても美味しい!!目から鱗の美味しさでした。
即購入!
‥とはいってもやはりこの大きさ。店内一周の間迷ったけど、思い切って購入してしました!
家で食べても大満足でした♡
どんなお菓子? ケーキ? パン?
パネトーネPANETTONE(パネットーネ)が生まれたのは、中世イタリア時代、北イタリア・ロンバルディア州ミラノと言われています。イタリアのクリスマスには欠かすことのできない伝統的な発酵菓子。
”パネトーネ種”という天然酵母を発酵させて作ることからのネーミングだそうです。
日本でいう”麹”のようなものですね。
酵母として働くと同時に乳酸菌類の要素も合わせ持ち、
タンパク質をアミノ酸にまで分解して旨みを引き出す強力な酵素や、グルテン膜をなめらかに伸びよくする酵素など、他の酵母では真似ができない働きをしてくれるようです。
名前を直訳すると「大きなパン」。1kgサイズの大きなドーム型をしたものが主流で、クリスマスの季節になると、イタリア中のお菓子屋さんやスーパーの店頭に、色とりどりの包み紙や箱でラッピングされた大きなパネトーネが並ぶというのですからそれだけでもワクワクしてしまいますね!
生地は小麦粉とたっぷりバターと卵とお砂糖で作られ、入っているものはドライフルーツが主流ですが、ヘーゼルナッツやチョコチップ&チョコレート生地、リモーネというレモン風味もあり、シーズン中はさまざまな味やお店ごとの味の違いを楽しめます。
ちなみにホイップクリームなどは使われません。
いつ食べるの?
普段から、朝食に甘いものとカプチーノを合わせるのが定番のイタリアでは、この時期となると朝食にパネトーネをセレクトする人も多いです。
クリスマスの朝とかクリスマスディナー限定で食べるということではなく、クリスマスシーズンに入ると皆、思い思いにパネトーネを買い、お友達にプレゼントしあったり自分用で食べたり、パーティのお呼ばれの際の手土産にしたりします。
ほどよい大きさがあり、伝統的な包装とリボンのラッピングがカラフルで美しいので、プレゼントとして最適なのだそう。もともとお菓子作りや料理をするのが好きなイタリア人ですが、パネトーネに関しては家で焼くことは少なく、買ったりもらったりして楽しむのだそうです。
もちろん、クリスマスイブのディナーや25日クリスマス当日ランチの締めとしてもたべられますよ。
イタリア人は、本当にパネトーネが好きなのです。
イタリアのクリスマス
イタリアは元々いくつもの小国家が集まってできた歴史があるので、厳密には地域ごとに土地に合わせた異なる伝統や習慣がありますが、一般的なスタイルだけをみても、近隣のヨーロッパ各国とはまた違ったクリスマスが見えてきます。
まずは
「イタリアはカトリック教のイタリア人が最も多く、そんなイタリア人にとって一年で最も重要な日がクリスマスである」
ということは忘れてはならないでしょう。宗教的な本来のクリスマス文化を大切にし、伝統的な過ごし方をするのです。
時期
イタリアのクリスマスは、12月8日から始まります。
12月8日は「聖母マリア無原罪のお宿りの日」という祭日で、この日がシーズンの開始日です。
そして年をまたいで1月6日の「エピファニア=公現際」に幕を閉じます。
- 12月8日に聖母マリアが解任,
- 12月25日にキリストを出産,
- 1月6日に東方三博士が祝福に(贈り物をもって)やってきた日.
とされているのです。
“サンタクロース” ではなく、”べファーナ”?
イタリアのクリスマス最終日の1月6日はべファーナ(Befana)という魔女がやってくる日です。
ボロきれをまとった老婆の魔女でありながら夜中に街中を飛び回り、「良い子にはお菓子、悪い子には炭」を靴下に入れるのだそうです。もしかして秋田の ”なまはげ” みたいなものでしょうか?
本来子どもたちは、三博士が贈り物を持ってきたことに因んで、エピファニアの日=プレゼントをもらう日でした。今では、12月25日にはサンタクロース、1月6日にはべファーナが登場するようです。
そしてこの日で、まるっと1ヶ月ほど続いたクリスマス期間が終了します。
過ごし方
イタリア人では、クリスマスを家族と一緒に過ごすのは当たり前。
日本のようにカップルや友達と出かける習慣は全くありません。離れて暮らす家族もこの時期には帰省し、家族や親戚とゆっくり過ごします。
イタリア人はもともとが「家族が一緒にいる時間」をとても大切に考えている人たちですが、クリスマスはそれに「感謝」の気持ちも加わります。宗教的な本来のクリスマスの意味を大切にするのです。
そして、家庭のマンマ(お母さん)は腕によりをかけて美味しいご馳走を作って備え、大忙しではあるものの大きな喜びと感謝の2日間を過ごすのです。アメリカで言う ”Thanksgiving Day” のようなものでしょうか?
例えばトマト祭りのような、大騒ぎで陽気なイメージがあるイタリア人ですが、宗教や伝統を守り、大切なクリスマスこそ最上の感謝の気持ちを込めてゆったりと過ごすのです。
イタリアクリスマスの料理
一年で最も重要なクリスマス。ここにもイタリアらしさが見られます。
コンセプトの要としては「家族とゆっくり過ごす」ですから、お料理のスタイルはコース料理を楽しむことになるでしょう。食卓にはさまざまな料理が並びながらも、
1、アンティパスト(前菜)から始まり
2、プリモピアット(第一の皿)
3、セコンドピアット(第2の皿)
4、ドルチェ(デザート)
5、飲み物
を数時間をかけて楽しむのです。
決まった料理とかあるの?
イタリアクリスマスの大きな特徴としては、12月24日にはお肉を食べないこと。
カトリックの国なのでキリスト生誕の前日は清めの意味でキリストの血と肉=お肉と赤ワインを控え、代わりに魚介類を中心に楽しむのが特徴です。(なかには断食する人もいるらしい‥)
ただ、宗教的にキリスト教が禁止しているわけではなく、あくまでも民間に伝わる伝統のひとつです。
イブの日には、アサリのパスタやサーモンのパイ、塩漬けタラ料理やシーフードのフライなど、さまざまに趣向を凝らした家庭ごとのお料理がふるまわれ、
クリスマス当日のランチには豪華でボリュームのある肉料理が中心となります。
トルテッリー二やカンネロー二などのパスタ料理、そしてローストビーフやローストチキン、ラムなども登場します。
もちろんデザートには「パネトーネ」も再登場です!
それと、「パンドーロ(Pandoro)といヴェローナ発祥のバター風味のケーキもよく食べられます。
こちらも、クリームやチョコレートでのデコレーションとかでなくシンプルなケーキですね。
クリスマーケットも楽しめる
クリスマスマーケットは12月8日のシーズン開始を待たずに11月半ばから開かれています。
地域によって多種多様なマーケットを楽しむことができます。
可愛らしい屋台の数々では、綺麗なデコレーションやイタリアでは定番の飾りプレゼピオ(Presepio)が盛り沢山に売られています。プレゼピオとは、キリスト降誕のシーンを再現したジオラマで各家庭や教会、公共の広場に飾られます。毎年購入し楽しみますが、自作をする人もいるそうです。
ドイツのクリスマスマーケットの名物であるツリー販売ですが、あれはドイツ由来のもので、最近ではイタリアでも普通にデコレーションで使われるものの、もともとイタリアでは「ツリーよりもプレゼピオ」が主流だったようですよ。
まとめ
コストコで美味しいケーキを購入したら、思いもかけず「イタリアンクリスマス通」になってしまいました(笑)。
イタリアのクリスマスは、カトリックの伝統と美食通のイタリア文化が美しく融合した文化でした。
家族と過ごすクリスマスを何よりも大事にし、美味しい料理を楽しみながら、感謝と喜びに包まれる様子を想像すると、まるでプレゼピオを笑顔で覗き込んでいるような気持ちになりました。
美しい街並みが最上級にデコレーションされた様もとても美しいでしょうね。
いつか行ってみたいものです。
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